今日の法話2019/08/30
「争いは 双方に言い分があるけえ 起こったがやあ」(妙好人 源左)
「争いは 双方に言い分があるけえ 起こったがやあ」(妙好人 源左)
さて、今、問題になっている日韓関係に於いて、この言葉を当てはめてみました。
「徴用工問題」「慰安婦問題」は「日韓請求権協定」に於いて、解決済だとの言い分の日本、「慰謝料」は協定には含まれていないとする韓国の言い分、政治や国益、国家間の問題なので、一概には言えませんが、感情的にならず、対応していく必要があります。
日本の立場で国益を考えれば韓国は誤り、韓国の立場で国益を考えれば日本は誤りとの言い分になります。国益とは言え、損得勘定です。大義を振りかざしても解決にはなりません。国が違えば見方も考え方も違うのです。
私は現在、裁判所の家事調停委員をしていますが、私の立場は公正中立な立場から、申し立て人と相手側双方の合意を引き出し、問題を解決することです。
国と国との争いにも仲介役が必要なのかもしれません。
争いはどんな争いでも、自分は善人であり、相手が悪人であるとの思いから起こります。
争いは人間の煩悩から生じるもの、自己中心的な思いから生じるものです。
「争いは 双方に言い分があるけえ 起こったがやあ」
源左さんの言葉が身に沁みます。